「ええっ、パソコンの容量がいっぱい!? 昨日保存したはずの資料、どこに消えたの……?」

入社して初めての出張。新幹線の車内でパソコンを開いた私は、真っ青になりました。昨日までオフィスで編集していたはずの巨大な画像データが、自分のパソコンのどこを探しても見当たらないのです。

焦って先輩にチャットを送ると、すぐに返信が来ました。

「あ、それ自分のPCじゃなくて『クラウド』に保存したでしょ? ネットに繋ればどこでも見れるよ」

「くらうど……? 空の雲の話ですか?」

当時の私は、「ネットの中にデータを置く」という感覚が全く分からず、データが空に浮いているような不思議なイメージしか持てませんでした。

実は、「クラウド」は目に見えないので難しく感じますが、仕組みはとても身近です。今回は、重い荷物を抱えるときに便利な 「レンタル倉庫」 に例えて、やさしく解説します!

クラウドとは? 一言でいうと「ネット上の『レンタル倉庫』」

結論から言うと、クラウド(Cloud)とは、自分のパソコンの中ではなく、インターネットの向こう側にあるコンピューターを、必要な分だけ借りて使う仕組み のことです。

身近な 「レンタル倉庫(トランクルーム)」 に例えてみましょう。

  • 自分のパソコン:自宅のクローゼット
  • クラウド:街にある レンタル倉庫
  • データ(写真や書類):倉庫に預ける荷物

これまでは、大切な荷物はすべて自分の家のクローゼット(自分のPC)にしまっていました。でも、荷物が増えすぎると家がパンパンになってしまいますし、外出先で「あ、あれ持ってくるの忘れた!」となっても、家に戻るまで取り出せません。

クラウド(レンタル倉庫)を使えば、重い荷物を預けて家をスッキリさせられます。さらに、倉庫の鍵(アカウント)さえ持っていれば、スマホや出張先のPCなど、 「いつでも、どこからでも」 中身を取り出せるのです。

ビジネスの現場でクラウドという言葉が出る場面

職場では、当たり前のように「クラウド」という言葉が飛び交います。

1. 「資料はクラウドに上げといたから、後で各自チェックして」

意味:
「みんなが自分のPCに保存しなくていいように、ネット上の共有倉庫(クラウド)に置いておいたよ。好きな時に見てね」ということです。わざわざメールで送らなくても、URLを教えるだけで済みます。

2. 「今はクラウドの時代だから、社内にサーバーを置かなくていいんだ」

意味:
「わざわざ会社の中に大きな倉庫(自前のサーバー)を作らなくても、ネット上の巨大なレンタル倉庫を借りれば安上がりだし管理も楽だよ」ということです。

3. 「セキュリティが不安だから、パスワードをクラウドで管理するのはやめて」

意味:
「大事な家の鍵(パスワード)を外のレンタル倉庫に預けるのは、泥棒に狙われた時が怖いから、手元で管理してね」ということです。

クラウドとオンプレミスの違い

クラウドの反対語としてよく使われるのが「オンプレミス」です。IT部門の人と話すときに知っておくと役立ちます。

比較ポイントクラウドオンプレミス
役割ネット越しに 借りる自社の中に 建てる
例え話レンタル倉庫 を借りる自宅の庭に 自前の倉庫 を建てる
初期費用安い(月額制が多い)高い(最初に機械代がかかる)
準備期間すぐに使い始められる建物を作るので時間がかかる
現場での見分け方どこでも使える会社の中でしか使えないことが多い

「オンプレ」は「自社運用」という意味です。一昔前は自社でサーバーを持つのが当たり前でしたが、今は「必要な時に、必要な分だけ」借りられるクラウドが主流になっています。

まとめ

この記事のポイントは次のとおりです。

  • クラウドは、ネット上にある「レンタル倉庫」
  • ネットさえあれば、場所や端末を選ばずデータを取り出せる
  • 「借りる(クラウド)」か「持つ(オンプレミス)」かの違い

今すぐできる確認方法

あなたが無意識に使っている「身近なクラウド」を探してみましょう!

  1. GoogleフォトやiCloud:スマホの写真を勝手にバックアップしてくれる「写真倉庫」です。
  2. GmailやOutlook:自分のPCではなく、ネット上の「郵便受け」でメールを管理しています。
  3. GoogleドライブやOneDrive:職場の書類をみんなで共有する「書類棚」です。

「これって自分のPCに保存してる? それともクラウド?」と意識するだけで、ITの世界が少しずつ見えてきますよ!