「よし、自社サーバーを立てるぞ! まずは機械を買って、配線して……」

一昔前のIT担当者は、新しいシステムを作るために、まず重たいコンピューター本体(サーバー)を購入し、会社に運び込み、冷房の効いた部屋でせっせと配線をしていました。

でも最近は、そんな光景をあまり見かけなくなりました。なぜなら、 「IaaS(アイアース)」 という便利な仕組みが登場したからです。

先日、先輩が「今回のプロジェクトはIaaSで行くから、物理サーバーの購入申請はいらないよ」と言っているのを聞いて、私は思いました。

「アイアース……? 地面の神様か何かかな?」

実はこれ、「地面(土台)」を借りるという意味では、あながち間違っていなかったんです。今回は、建物を建てる前の 「更地」 に例えて、IaaSの正体をやさしく解説します!

IaaSとは? 一言でいうと「コンピューターの『レンタル更地』」

結論から言うと、IaaS(アイアース)とは Infrastructure as a Service の略で、コンピューターを動かすためのネットワークやハードウェアといった「インフラ(土台)」を、ネット経由で貸してくれるサービス のことです。

「家づくり」 に例えると、一気にイメージしやすくなります。

  • SaaS(ホテル・完成品):完成した部屋を借りる。掃除も食事もお任せ。
  • PaaS(注文住宅・設備あり):柱や水道、キッチンがついた状態で借りる。
  • IaaS「土地(コンピューターのパワー)」だけを借りる。

IaaSは、いわば「まっさらな土地」を借りるようなものです。土地にはまだ何もありません。あなたはそこに、自分の好きな「OS」という床を貼り、自分の好きな「アプリ」という壁を立て、自分好みの「設定」という家具を配置します。

何もないからこそ、 「自由自在に、どんな家(システム)でも建てられる」 のがIaaSの最大の特徴です。

ビジネスの現場でIaaSという言葉が出る場面

高度なシステム構築の話でよく登場するキーワードです。

1. 「アクセスが増えたから、IaaSのスペックを少し上げようか」

意味:
「家が手狭になってきたから、ネット上で借りている土地(土地代や機械の力)を少し広げようか」ということです。IaaSは、ボタン一つで土地を広げたり狭めたりできるのが魅力です。

2. 「OSのアップデートも自分たちでやるから、IaaSの方が自由だね」

意味:
「ホテルの部屋(SaaS)だと壁紙を変えられないけど、更地(IaaS)から自分で建てれば、好きな床材を選べるし、いつでもリフォームできるから便利だね」ということです。

3. 「IaaSは管理が大変だから、運用コストを考えないといけないね」

意味:
「更地を借りている以上、建物のメンテナンス(OSの更新やセキュリティ対策)はすべて自分たちの責任だから、手間がかかるよ」ということです。

IaaSとSaaS・PaaSの違い

クラウド三兄弟を、自由度と管理の手間で比較しました。

用語自由度管理の手間たとえ話
IaaS★★★★★★更地(自由に建てられるが、維持が大変)
PaaS★★☆★★☆キッチン付きスペース(中身は作れる)
SaaS★☆☆★☆☆ホテル・完成品(選ぶだけで使える)

IaaSは、 「プロの建築家(エンジニア)が、自分の理想の家(システム)を、土地だけ借りて自由に建てたい!」 というときに使われる、玄人好みのサービスなんです。

まとめ

この記事のポイントは次のとおりです。

  • IaaSは、ネット経由でコンピューターの「土地(インフラ)」を借りる仕組み
  • 自由度が最も高く、プロのエンジニアが好んで使う
  • 代表的なのは AWS(Amazon)や Azure(Microsoft)、GCP(Google)

今すぐできる確認方法

あなたの会社のシステムが、どこにあるかチラッと聞いてみましょう!

「自社のサーバーって、AWS(IaaS)の上にあるんですか?」と聞いてみてください。もし「そうだよ」と返ってきたら、心の中で「ああ、あのレンタル更地の上に、うちのシステムが建ってるんだな」と想像してみてください。

ITインフラという「土地」が見えてくると、会社という建物がどうやって支えられているのかが、よりリアルに感じられるようになりますよ!