「彼のモチベーションが低いのは、まだマズロー(Maslow)の低い段階にいるからかもしれないね」
面談のあとに上司がボソッと言ったこの一言。私は心の中で「マズロー……? マズい(Mazu-i)……ロー(Low)? 何かマズくて低い状態のこと? 怒られているの?」と、パニックになっていました。
「あの、マズローっていうのは、何かの病気ですか?」
ポカンとする私に、心理学に詳しい先輩は5段の階段の絵を描きながら教えてくれました。
「マズローはね、人のやる気を5つの段階で説明した心理学者の名前だよ。下から順番に欲求が満たされないと、次のやる気は起きない、という心の仕組みのことなんだ」
これ、実は自分自身のやる気をコントロールしたり、後輩を励ましたりするために 「もっとも基本で、もっとも納得感のあるモチベーション理論」 です。
この記事では、ピラミッドの階段に例えて、マズローの欲求5段階説の正体と言い換え方をやさしく解説します。
マズローの欲求5段階説とは? 一言でいうと「やる気が生まれる『5つのステップ』」
結論から言うと、マズローの欲求5段階説(Maslow’s hierarchy of needs)とは、「人間の欲求は5つの階層に分かれており、低い階層の欲求が満たされると、より高い階層の欲求を求めるようになる」 という理論です。
これを 「5段のピラミッド」 に例えると、非常にわかりやすくなります。
- 1段目(生理的欲求):「生きたい!」。ご飯を食べたい、眠りたい。
- 2段目(安全欲求):「安心したい!」。健康でいたい、安定した暮らしがしたい。
- 3段目(社会的欲求):「仲間が欲しい!」。チームに馴染みたい、愛されたい。
- 4段目(承認欲求):「認められたい!」。仕事で褒められたい、価値があると思われたい。
- 5段目(自己実現欲求):「自分らしくありたい!」。夢を叶えたい、自分にしかできないことをしたい。
1段目(お腹が空いて死にそう)の時に、5段目(夢を語ろう!)と言われても無理ですよね。「土台がしっかりして初めて、上のやる気が湧いてくる」 のがマズローの教えです。
ビジネスの現場でマズローという言葉が出る場面
「意欲の分析」をするシーンで必ず登場します。
1. 「彼の今の状態は、承認欲求(4段目)が強いフェーズだね」
意味:
「みんなに『凄いね!』と言われたい、必要とされたい」という気持ちが今の彼のやる気の源だから、しっかり褒めて伸ばしてあげようよ、ということです。
2. 「ブラック企業では、1段目や2段目の欲求すら満たされません」
意味:
「寝る暇もない(1段目)」「いつクビになるか不安(2段目)」というボロボロの状態では、いい仕事(高いやる気)なんてできるわけがないよ、という批判です。
3. 「マズローの5段階説を参考に、新しい福利厚生を考えましょう」
意味:
社員が安心して働ける環境(2段目)や、交流できるイベント(3段目)を整えて、みんなが「自分らしく輝ける(5段目)」会社にしていこうよ、ということです。
絶対に覚えておくべき!やる気の「2つの方向」
マズローの5段階を、ビジネスで使いやすく「2つのグループ」に整理しました。
| グループ | 段階 | 意味 |
|---|---|---|
| 欠乏欲求 | 1〜4段目 | 足りないと「不満」になる(マイナスをゼロにする) |
| 成長欲求 | 5段目 | 満たされると「ワクワク」する(自分をプラスにする) |
| 例え話 | お腹を満たす | 最高の料理を作る |
まとめ:明日からできる第一歩!
この記事のポイントは次のとおりです。
- マズローの法則は、人間の欲求が5つのステップで登っていくこと
- 「5段のピラミッド階段」をイメージすればOK
- 下の段(安心・仲間)が崩れていると、上のやる気は出てこない
「マズロー」な視点で自分を見つめるために、こんな一歩を。
- 「今の自分の段」を確認する:あなたは今、何のために頑張っていますか? 「生活のため(2段目)」「褒められたい(4段目)」。今の自分の立ち位置を知るだけで、心がスッと楽になります。
- 「相手の段」を想像する:後輩が元気がないとき、もしかしたら「チームに馴染めていない(3段目)」のかもしれません。それに合わせた声をかけてみましょう。
- 「言い換え」を使ってみる:「マズロー」が難しければ、「やる気の5つの階段」「人間の欲求のピラミッド」「心の満足度」と言い換えてみてください。それだけで、モチベーションの正体がぐっと身近になりますよ!