「今回の新商品は、まずはマスに向けたアプローチを考えましょうか」
憧れの企業のインターンシップ。グループワークのメンター(指導役)の社員さんが、さらっとそう言いました。
隣の学生は「そうですね、やはり認知度が大事ですよね」と賢そうに頷いています。一方、私の頭の中はパニック。「マス……? 算数の『マス目』? それとも液体を入れる『升(ます)』のこと?」
とりあえず話を合わせようと、「はい! 私も『マス』は絶対に外せないと思います!」 と力強く答えたら、社員さんに「お、意欲的だね。じゃあ具体的にどんなマスメディアを使いたい?」と深掘りされてしまい……。
「えっと、算数のドリルとか……?」なんて言えるわけもなく、真っ白な頭で冷や汗を流すことになりました。
これ、実はビジネスの勉強を始めたばかりの就活生が 「知ったかぶりをして自爆しやすい用語」 の筆頭格です。
「マス」という言葉は、マーケティングの基本中の基本。一度理解してしまえば、ニュースや会議の内容がぐっと理解しやすくなりますよ。
マスとは? 一言でいうと「学校全員に配られる給食」
結論から言うと、マス(Mass)とは 「大衆(たいしゅう)」や「全体」 という意味です。
特定の誰かではなく、「世の中のたくさんの人たち全員」 をひとまとめにして考えるときに使います。
もっと身近なイメージでいうと、「学校の給食」 にたとえると分かりやすいです。
- マスマーケティング:全校生徒に同じメニューを出す「給食」
- ターゲットマーケティング:特定のクラスや部活の人にだけ届ける「お弁当」
- One to Oneマーケティング:その人の好みに合わせて作る「特注の料理」
給食(マス)は、一人ひとりの細かい好みは聞けませんが、一度にたくさんの人にお腹いっぱいになってもらえますよね。ビジネスにおける「マス」も同じで、「細かいことは抜きにして、とにかく全員に一気に知らせる・売る」 という力技のことを指します。
ビジネスシーンでの超リアルな使い方・例文
「マス」という言葉は、主に「広告」や「市場(お客さんの層)」の話でよく登場します。
1. 「まずはマス広告で一気に認知を広げましょう」
意味:
テレビCMや新聞広告など、「不特定多数の人が一度に目にするメディア」 を使って、商品を知ってもらおうという意味です。
- 裏にある意図:ターゲットを絞るよりも、まずは日本中の誰もが知っている状態を作りたい。
2. 「この商品は、マス層をターゲットにするには少し個性が強すぎますね」
意味:
「一般的な普通の人たち全員(=マス層)」 に売るには、好みが分かれすぎるかもしれないという意味です。
- 裏にある意図:万人受けを狙うのではなく、もっと狭い「特定のファン」向けにしたほうがいいのではないか。
3. 「最近は『脱マス』の流れで、SNSでの細かい発信が重要になっています」
意味:
全員に同じメッセージを送るのをやめて(=脱マス)、「一人ひとりの趣味嗜好に合わせた情報発信」 に切り替えようという意味です。
- 裏にある意図:テレビを見ない人も増えているので、ネットを使って「その人が欲しそうなもの」をピンポイントで届けたい。
絶対に覚えておくべき!「ニッチ」との違い
「マス」の反対語としてセットで覚えたいのが 「ニッチ」 という言葉です。この2つを整理すると、マーケティングの視界がクリアになります。
| 比較ポイント | マス(Mass) | ニッチ(Niche) |
|---|---|---|
| 役割 | 全員に一気に届ける | 狭い範囲に深く届ける |
| 例え話 | 学校全員の「給食」 | 激辛好きだけが通う「専門店」 |
| 具体例 | テレビCM、コンビニのパン | 専門雑誌、高級車、限定グッズ |
| 現場での見分け方 | 「みんなが知っているか」 | 「特定の誰かに刺さっているか」 |
| メリット | 一気にたくさん売れる | 競合が少なく、熱烈なファンができる |
「マス」は「数の暴力(良い意味で)」であり、「ニッチ」は「スキマの職人」のようなイメージです。
まとめ:明日からできる第一歩!
今回のポイントを整理します。
- 「マス」は「大衆」「全体」という意味
- 「マス広告」はテレビCMなど、全員に見せる広告のこと
- 反対語は「ニッチ(狭いスキマ)」
ビジネスの現場で「マス」と言われたら、まずは「全体向けの話をしているんだな」と考えればOKです。
明日からできる第一歩
明日、登校中や通勤中に 「テレビCM」と「インスタの広告」 を見比べてみてください。
- テレビCM(マス):老若男女、誰が見ても不快感がなく、意味がわかる内容になっているはずです。
- SNS広告(非マス):なぜか自分の趣味や、最近検索したことにぴったりの内容が出てきませんか?
この「全員向け」か「自分向け」かの違いを感じるだけで、あなたはもう立派なマーケティングの視点を持てていますよ。次にインターンで聞かれたら、自信を持って「テレビや新聞などのマスメディアを活用しましょう!」と答えられますね。