「ニーズは分かった。でも、その先の『ウォンツ(Wants)』を刺激する仕掛けが足りないね」

先輩から企画書を差し戻されたとき、私は心の中で「ウォンツ……? ワンツースリーのこと? リズムよく書けってことかな?」と、的外れな想像をしていました。

「あの、ウォンツっていうのは、もっとたくさん書くということですか?」

ポカンとする私に、先輩はカタログを広げながら教えてくれました。

「ウォンツはね、『具体的な欲しいもの』のことだよ。お腹が空いた(ニーズ)ときに、『あの店のあのハンバーガーが食べたい!』と思う、その強いこだわりを指すんだ」

これ、実は数あるライバルの中から自分の商品を選んでもらうために 「もっとも強力で、もっとも魅力的に磨かなければならない欲求」 です。

この記事では、キラキラしたデザートに例えて、ウォンツの正体とニーズとの違いをやさしく解説します。

ウォンツとは? 一言でいうと「悩みを解決するための『具体的な手段』」

結論から言うと、ウォンツ(Wants)とは、「ニーズ(なくて困っている状態)を満たすために、特定の対象を欲しがる欲求」 のことです。

これを 「喉の渇き」 に例えると、非常にわかりやすくなります。

  • ニーズ(必要性):喉が渇いて死にそうだ。何か水分を摂らないと困る、という 「目的(悩み)」
  • ウォンツ(欲求):ただの水じゃなくて、「キンキンに冷えたコーラが飲みたい!」「あのカフェのタピオカミルクティーがいい!」 という、具体的な 「手段(商品)」

「喉を潤す」という目的さえ果たせれば何でもいいはずなのに、あえて「これがいい!」と指名する。その 「こだわり」や「あこがれ」 の部分がウォンツです。

ビジネスの現場でウォンツという言葉が出る場面

「売り方」や「商品開発」のシーンで必ず登場します。

1. 「機能だけでなく、感情的なウォンツを刺激する広告にしましょう」

意味:
「性能がいいですよ」と説明するだけでなく、「これを持っているとかっこいいですよ!」「みんなに自慢できますよ!」と、お客さんのワクワクする気持ちを盛り上げよう、ということです。

2. 「お客様のウォンツが多様化しているので、ラインナップを増やします」

意味:
「移動したい(ニーズ)」という人は多いけれど、「スポーツカーがいい人」「家族で乗れるミニバンがいい人」と、具体的な好みがバラバラになっているから、いろんな種類を用意しようね、ということです。

3. 「潜在的なウォンツを掘り起こすのが、ヒット商品への近道です」

意味:
お客さん自身も「こんなのが欲しかったんだ!」と驚くような、今までになかった新しい解決策を形にして見せてあげようよ、ということです。

絶対に覚えておくべき!「ニーズ」との違い

混同しやすい「ニーズ」との違いを整理しました。

比較ポイントウォンツニーズ(Needs)
中身「手段・モノ」「目的・悩み」
意識の強さはっきりしている(指名買い)ぼんやりしている(困っている)
イメージキラキラした 「デザート」生き延びるための 「主食」
例え話iPhoneが欲しい誰かと連絡を取りたい

まとめ:明日からできる第一歩!

この記事のポイントは次のとおりです。

  • ウォンツは、悩みを解決するための「具体的な欲しいもの」のこと
  • 「喉の渇き」に対する「コーラ」をイメージすればOK
  • ニーズ(悩み)を理解した上で、最高のウォンツ(商品)を提案するのがプロ

「ウォンツ」を掴む人になるために、こんな一歩から始めてみましょう。

  1. 「なぜこれがいいの?」と自分に聞く:自分が今日買ったもの。なぜ他のブランドではなく、「これ」を選んだのですか? その「選んだ理由」があなた自身のウォンツです。
  2. お客さんの「好きなもの」を観察する:お客さんが普段どんな服を着て、どんな言葉を使っているか。その「ライフスタイル」の中に、ウォンツを引き出すヒントが隠れています。
  3. 「言い換え」を使ってみる:「ウォンツ」が難しければ、「具体的なこだわり」「あこがれ」「指名買いの理由」と言い換えてみてください。それだけで、商品の魅力の伝え方がぐっと具体的になりますよ!