「わが社は今期、売上は横ばいだけど『営業利益(Operating Profit)』は大幅に改善したよ」

決算説明会で社長が誇らしげに語ったこの言葉。私は心の中で「営業……? 営業部の成績のこと? 私たち事務職には関係ないのかな?」と、的外れな想像をしていました。

「あの、営業利益っていうのは、営業マンが稼いできたお金のことですか?」

ポカンとする私に、経理の先輩は歯車を回す仕草をしながら教えてくれました。

「営業利益はね、『本業でどれだけ儲かったか』という数字だよ。商品を作って売るという、会社本来の活動の実力がそのまま出る数字なんだ」

これ、実は会社がビジネスとして本当に上手くいっているのかを知るために 「もっとも重要で、もっとも嘘をつけない数字」 です。

この記事では、お店の運営に例えて、営業利益の正体と言い換え方をやさしく解説します。

営業利益とは? 一言でいうと「本業の活動で残った『純粋な儲け』」

結論から言うと、営業利益(Operating Profit)とは、「売上高から、商品の原価(仕入れ代)と、販売や管理にかかった全ての経費を差し引いた利益」 のことです。

これを 「ケーキ屋さんの運営」 に例えると、非常にわかりやすくなります。

  • 売上:お客さんからもらった代金。
  • 売上原価:小麦粉やイチゴの材料代。
  • 販管費(経費):お店の家賃、電気代、店員さんの給料、チラシの印刷代。
  • 営業利益:全部の支払いを済ませて、「お店のレジに残ったお金」

この「レジに残ったお金(営業利益)」がプラスであれば、そのケーキ屋さんは 「本業(ケーキを売ること)でしっかり稼げている」 ということになります。

ビジネスの現場で営業利益という言葉が出る場面

「本業の実力」を評価するシーンで必ず登場します。

1. 「営業利益率を高めるために、業務効率化を図りましょう」

意味:
「売上を増やす」のもいいけれど、無駄な残業代(給料)や電気代(経費)を減らして、手元に残る儲け(営業利益)の割合を大きくしようよ、ということです。

2. 「不採算部門のカットで、V字回復の営業利益を達成しました」

意味:
赤字を出していた(レジのお金を減らしていた)仕事を思い切ってやめたことで、会社全体として「本業で稼ぐ力」が元に戻ったよ、という報告です。

3. 「営業利益は出ているのに、お金(キャッシュ)が足りないんです」

意味:
帳簿の上では「儲かっている」ことになっているけれど、実際の手元にお金がまだ入ってきていない(売掛金など)という、ちょっと危ない状態の相談です。

絶対に覚えておくべき!「経常利益」との違い

混同しやすい「経常利益」との違いを整理しました。

比較ポイント営業利益経常利益(Ordinary Profit)
範囲「本業」 のみ「会社全体」 の活動(株や利息など)
計算式売上 − 原価 − 経費営業利益 + 営業外の収支
意味ビジネスそのものの実力会社の総合的な稼ぐ力
例え話「ケーキ」 を売った儲けケーキの儲け + 「預金の利息」

まとめ:明日からできる第一歩!

この記事のポイントは次のとおりです。

  • 営業利益は、本業(メインの仕事)で稼いだ利益のこと
  • 「全部の経費を引いたレジの残り」をイメージすればOK
  • 売上よりも「営業利益」を見るのが、デキるビジネスマン

「営業利益」を意識して働くために、こんな一歩から。

  1. 「経費」を自分ごとにしてみる:今日使ったコピー用紙や、無駄な残業。それがすべて「営業利益」を減らしている、ということを1秒だけ意識してみてください。
  2. 「本業」を定義してみる:自分の会社の「本業」は何ですか? それに関係ない支出(営業外費用)はないか、ニュースを見ながら考えてみましょう。
  3. 「言い換え」を使ってみる:「営業利益」が難しければ、「本業での儲け」「実力としての利益」「経費を引いた残り」と言い換えてみてください。それだけで、仕事への責任感がグッと増しますよ!