「わが社は今期、営業利益は赤字だったけど『経常利益(Ordinary Profit)』でなんとか黒字を確保したよ」

先輩からそんな話を聞いたとき、私は心の中で「ケイ……ツネ……? 狐(きつね)のこと? 何か化かされているのかな?」と、不思議な想像をしていました。

「あの、ケイツネっていうのは、縁起物ですか?」

ポカンとする私に、経理の先輩は家計簿を見せる仕草をしながら教えてくれました。

「経常利益はね、略して『ケイツネ』とも言うんだ。本業の儲けだけでなく、銀行の利息や株の配当なども含めた、『会社が普通に活動して残るお金』のことだよ」

これ、実は会社がビジネスとして本当に「安定して」稼げているのかを知るために 「もっとも信頼され、経営者がもっとも気にする数字」 です。

この記事では、毎月の手残りに例えて、経常利益の正体と言い換え方をやさしく解説します。

経常利益とは? 一言でいうと「会社が普通に活動して残った『総合的な儲け』」

結論から言うと、経常利益(Ordinary Profit)とは、「本業の利益(営業利益)に、本業以外で発生する収益や費用を足し引きした利益」 のことです。

これを 「個人の家計」 に例えると、非常にわかりやすくなります。

  • 営業利益:毎月の 「給料(本業)」
  • 経常利益:給料に、「銀行の利息(副業・運用)」 を足して、「ローンの利息(支払い)」 を引いた、「毎月、普通に生活して残るお金」

「たまたま宝くじが当たった(特別利益)」ような一時的なラッキーを含まない、「実力通りの、いつもの稼ぎ」 を表すのが経常利益の正体です。

ビジネスの現場で経常利益という言葉が出る場面

「経営の安定性」を評価するシーンで必ず登場します。

1. 「ケイツネ(経常利益)が改善したので、銀行からの信頼が上がりました」

意味:
「本業も副業も含めて、毎年安定してお金を残せているから、この会社ならお金を貸しても大丈夫だね」と認められた、という嬉しい報告です。

2. 「営業利益は黒字ですが、経常利益は赤字です」

意味:
「本業のケーキ作りでは儲かっているけれど、借金の利息の支払いが多すぎて、結局会社全体としてはお金が減ってしまっている」という、ちょっと苦しい状態です。

3. 「経常利益率を5%以上に保つのが、わが社の目標です」

意味:
ただ売上を伸ばすだけでなく、利息の支払いなども含めて、会社全体として効率よくお金を残せる「健康な体」を維持しようよ、ということです。

絶対に覚えておくべき!「純利益」との違い

混同しやすい「純利益」との違いを整理しました。

比較ポイント経常利益(ケイツネ)純利益(当期純利益)
範囲「いつもの」 活動全部「特別」 なことも全部含める
一時的な損益含めない含める(火災、固定資産の売却など)
税金の支払い税金を払う 「前」税金を払った 「後」
例え話毎月の安定した 「手残り」全部の精算が終わった 「最終残高」

まとめ:明日からできる第一歩!

この記事のポイントは次のとおりです。

  • 経常利益(ケイツネ)は、会社の「いつもの実力」を表す数字
  • 「毎月の安定した手残り」をイメージすればOK
  • 本業以外の利息や、借金の支払いまで含めた総合評価

「経常利益」という視点を持つために、こんな一歩から。

  1. 「副業」を想像してみる:もし自分が会社だとしたら、本業(仕事)以外に「利息」や「配当」でどれくらい稼げそうですか? その「総合力」を意識するのがケイツネの感覚です。
  2. 「借金(利息)」の影響を考える:どんなに本業で稼いでも、借金の利息が多ければ手元にお金は残りません。会社の財務状況に興味を持つ第一歩です。
  3. 「言い換え」を使ってみる:「経常利益」が難しければ、「いつもの儲け」「総合的な稼ぐ力」「安定した手残り」と言い換えてみてください。それだけで、経済ニュースがぐっと身近になりますよ!