「『円高』になると海外ブランドのバッグが安く買えるらしいよ!」
「10年前はハワイ旅行が今の半分以下の安さで行けたんだって!」
円安のニュースばかりが流れる昨今ですが、逆に「日本円の価値が上がっている状態」を円高(えんだか)と呼びます。消費者からすると「いいことだらけ」に見える円高ですが、実は日本経済にとっては手放しで喜べない事情も隠されています。
この記事では、円高の仕組みと、私たちの生活や企業に与えるメリット・デメリットをわかりやすく解説します。
円高とは? 一言でいうと…
円高とは、一言でいうと「世界の基準となるお金(主に米ドル)に対して、日本円の価値が上がっている状態」のことです。
たとえば、「1ドル=150円」だった状態から「1ドル=100円」になることを円高と呼びます。 「数字が減っているのに、なんで『高(高い)』なの?」と迷うかもしれませんが、こう考えましょう。
身近なたとえで言えば、「150円出さないと買えなかったアメリカのお菓子が、日本円の戦闘力がアップしたおかげで、たった100円玉1枚で買えるようになった状態」です。つまり「円が強い状態(高く評価されている状態)」だから円高なのです。
円高がもたらすメリット(消費者は嬉しい)
私たちが生活する上で、円高は「海外のモノが安くなる」という最高の恩恵をもたらします。
1. 輸入品がどんどん安くなる
【よくある声】
「ガソリン代や電気代が安くなって助かる!」
【円高のメリット】
日本はエネルギーや食料の多くを輸入に頼っています。「1ドル=150円」の時は150円払っていた海外の小麦や石油が、「1ドル=100円」の円高になれば100円で買えます。結果として、スーパーの食品や光熱費が安くなり、生活が楽になります。
2. 海外旅行が超お得になる
【よくある声】
「今年の夏休みは家族でハワイに行こう!」
【円高のメリット】
アメリカのホテルに「100ドル」で泊まるとします。円安(1ドル=150円)なら15,000円かかりますが、円高(1ドル=100円)なら10,000円で済みます。パスポート(円)の力が強いため、同じ予算でワンランク上の旅行が楽しめます。
円高がもたらす影響(痛いデメリット)
私たちが大喜びしている裏で、日本の大企業は悲鳴を上げています。
トヨタなどの「輸出企業」がピンチに
【よくある声】
「うちの会社、円高のせいで業績が悪化してボーナスが出ないかも……」
【円高のカラクリ】
日本の自動車メーカーが、アメリカで車を「1万ドル」で売ったとします。
手に入れた1万ドルを日本円に両替する時、円安(1ドル=150円)なら150万円の売上になります。
しかし、円高(1ドル=100円)だと、同じ1万ドルの車を売ったのに、換金したらたったの100万円にしかなりません!
日本経済は「自動車」などの輸出で稼ぐ仕組みが強いため、円高が進みすぎると大企業が儲からなくなり、結果的に日本全体の景気が悪くなってしまう(株価が下がる)、という複雑な事情があるのです。
明日からできる第一歩
円高・円安はどちらが絶対に良い悪いはなく、立場によって見え方が変わります。まずは以下の行動から始めてみましょう。
- 「150円から100円になる」=数字が下がっているから円高、というルールを完璧に覚える
- ニュースで「円高」と聞こえたら、「輸入品を買うチャンスだ!」と日用品や家電の買い時を考えてみる
- 「消費者としては嬉しいけど、日本の大企業は大変だな」と、両方の視点を持つ癖をつける
お金の強さはシーソーゲームです。為替の波を正しく理解し、ニュースの裏側にある「笑っている人」と「泣いている人」を見極めながら、賢く買い物を楽しみましょう。