「ニュースで『記録的な円安』って騒いでるけど、私には関係ないよね?」 「なんでハワイ旅行のランチが、数年前は1000円だったのに今は3000円もするの……!?」
毎日のように耳にする「円安(えんやす)」。なんとなく「悪いこと」のイメージがあるかもしれませんが、なぜそんなに騒がれているのでしょうか。
この記事では、円安の仕組みと、私たちの生活にどのような影響(メリットとデメリット)をもたらすのかを、中学生でもわかるようにやさしく解説します。
円安とは? 一言でいうと…
円安とは、一言でいうと「世界の基準となるお金(主に米ドル)に対して、日本円の価値が下がっている状態」のことです。
たとえば、「1ドル=100円」だった状態から「1ドル=150円」になることを円安と呼びます。 一見すると「数字が100から150に増えているのに、なんで『安(安い)』なの?」と混乱するかもしれません。ここが最初のつまずきポイントです。
身近なたとえで言えば、「100円玉1枚で買えていたアメリカのお菓子が、日本円の価値(強さ)が弱まったせいで、150円出さないと買えなくなってしまった」と考えましょう。つまり「円が弱い状態(安売りされている状態)」だから円安なのです。
円安がもたらす影響(痛いデメリット)
私たちが生活する上で、円安は「物価高」という形でダイレクトに襲いかかってきます。
1. 海外のモノが全て高くなる
【よくある声】
「iPhoneってなんであんなに毎年高くなってるの?」
【円安の影響】
アメリカのAppleが「iPhoneを1000ドルで売るよ」と決めたとします。
「1ドル=100円」の時なら、私たちは10万円で買えます。
しかし「1ドル=150円」の円安になると、全く同じiPhoneなのに15万円払わないと買えなくなります。小麦やガソリン、スマホなど、海外から輸入するモノの値段が爆上がりして生活が苦しくなります。
2. 海外旅行に行くのがしんどくなる
【よくある声】
「ハワイでハンバーガー食べたら3000円もしたんだけど!」
【円安の影響】
これも同じ理屈です。ハワイのレストランで「20ドルのランチ」を食べた時、「1ドル=100円」なら2000円の出費ですが、「1ドル=150円」なら3000円かかってしまいます。日本のパスポート(円の力)の戦闘力が下がっている状態です。
円安がもたらすメリット(喜ぶ人もいる)
ニュースでは悪いことばかり言われますが、実は円安でボロ儲けして大喜びしている人たちもいます。
1. トヨタなどの「輸出企業」は大儲け
【よくある声】
「うちの会社、円安のおかげで過去最高益だって!」
【円安のカラクリ】
日本の自動車メーカーが、アメリカで「1万ドル」の車を売ったとします。
手に入れた1万ドルを日本円に両替する時、「1ドル=100円」なら100万円の売上になります。
しかし「1ドル=150円」なら、何もしなくても換金するだけで150万円の売上になります!海外でモノを売って外貨を稼ぐ企業にとっては、円安はありがたいボーナスタイムなのです。
2. 日本に来る外国人観光客(インバウンド)が爆増
【よくある声】
「京都に行ったら外国人だらけだった」
【円安のカラクリ】
アメリカ人から見れば、日本への旅行は「激安の国での爆買いツアー」になります。日本人がハワイに行くのがつらいのとは逆に、外国人からすれば「安いニッポン」を満喫できるため、日本の観光業は潤います。
明日からできる第一歩
円安・円高という為替の波は、個人の力でどうにかできるものではありません。しかし、その法則を知っておくことで備えることはできます。まずは以下の行動から始めてみましょう。
- 「100円から150円になる」=数字が上がっているから円高、という勘違いを脳内で修正する
- ニュースで「円安」と聞こえたら、「輸入品が高くなるな」「輸出企業の株価が上がるかも」と連想ゲームを楽しんでみる
- 円のお小遣いだけでなく、外貨(ドル)での資産運用(投資信託など)について少しだけ勉強してみる
お金の強さはシーソーゲームです。日本円という「船」に乗っている以上、その波の動きを正しく理解し、急な物価高にも動じない知識を身につけていきましょう。