新商品が一部の詳しい人には評判なのに、そこから先が広がらない。こういう場面、かなりあります。盛り上がっていたはずなのに、一般層の前で急に静かになる感じです。
結論から言うと、キャズムは、新しい商品や技術が一部の先進的な人には受け入れられても、一般層には広がりにくい壁のことです。
キャズムとは? 一言でいうと「詳しい人と一般層のあいだの溝」
一言でいうと、キャズムは詳しい人と一般層のあいだの溝です。
川を渡る場面を想像するとわかりやすいです。最初に渡る少数の人は、不安があっても橋の細さを気にせず進みます。でも大多数の人は、「安全そうか」「他の人も渡っているか」を見てから動きます。橋がそこまで届いていないと、商品は川の途中で止まります。これがキャズムです。
つまり、早い人に売れたことと、世の中に広がることは同じではありません。
なぜキャズムが起きるのか
主な理由は次のとおりです。
- 初期ユーザーと一般層では重視する点が違う
- 初期ユーザーは新しさを好むが、一般層は安心感を重視する
- 使い方や導入効果がわかりにくいと、一般層は動かない
初期ユーザーが「面白い」と感じる点が、そのまま一般層の購入理由になるとは限らないのです。
ビジネスの現場でキャズムという言葉が出る場面
1. 「初期導入までは進みましたが、キャズムを越えられていません」
意味: 詳しい層には受けたものの、大多数の市場へ広がる段階で止まっている、という話です。
相手が伝えたいこと: 同じ売り方のままでは限界がある、ということです。
2. 「一般層向けに導入事例を増やしましょう」
意味: 新しさよりも、実績や安心感で伝える必要がある、という戦略です。
相手が伝えたいこと: 詳しい人向けの説明から、実務で使える説明へ変えたい、ということです。
3. 「プロダクトは良いのに広がらないのはキャズムの問題かもしれません」
意味: 品質や機能だけでなく、普及の段階の壁にぶつかっている可能性がある、という見方です。
相手が伝えたいこと: 改善すべきは機能だけではなく、伝え方や導入支援かもしれない、ということです。
キャズムとイノベーター理論の違い
| 比較ポイント | キャズム | イノベーター理論 |
|---|---|---|
| 主な内容 | 普及の途中にある壁を説明する | どんな順番で人が広がるかを説明する |
| 注目点 | 先進層から一般層へ移る難しさ | 消費者を5つの層に分けること |
| 実務での使い方 | どこで止まっているかを見る | 今どの層を狙うか考える |
| 関係 | 普及の難所を強調する考え方 | 普及全体の流れを見る考え方 |
イノベーター理論が普及の地図だとすると、キャズムはその地図の中にある難所です。
よくある質問
キャズムはどんな商品でも起きますか?
新規性の高い商品や技術で語られやすいですが、すべてに同じ形で起きるわけではありません。市場や導入ハードルによって差があります。
機能を増やせばキャズムを越えられますか?
必ずしもそうではありません。一般層は機能の多さより、使いやすさや安心感を重視することも多いです。
越えるには何が大事ですか?
誰にとって、どんな実務上のメリットがあるのかをはっきり示すこと、導入事例や支援を整えることが重要です。
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まとめ
- キャズムは、新しい商品や技術が一般層へ広がりにくい壁のことです。
- 初期ユーザーと一般層では、求める価値が違うため起きやすくなります。
- 越えるには、新しさよりも実用性、安心感、導入しやすさを伝えることが重要です。
明日からできる第一歩は、「いまの商品を、詳しい人ではなく普通の利用者にどう説明するか」を書き換えてみることです。そこで言葉に詰まるなら、キャズムの入口にいる可能性があります。