トラブルが起きたとき、つい「担当者の確認不足ですね」で話を終わらせたくなることがあります。会議も早く終わりますし、なんだか原因が見つかった気にもなります。
でも、その原因が毎回同じ人の注意力に集まるなら、少し怪しいです。
結論からいうと、フィッシュボーンチャートは問題の原因をいろいろな角度から洗い出して、抜け漏れを減らすための図です。人だけを責めて終わらせないのが大きな利点です。
フィッシュボーンチャートとは? 一言でいうと「原因を骨のように並べる図」
一言でいうと、フィッシュボーンチャートは起きた問題に対して、関係しそうな原因を枝分かれで整理する図です。
見た目が魚の骨に似ているので、この名前で呼ばれます。
たとえば「納期遅れ」という問題があったときも、原因はひとつではありません。
- 人手が足りなかった
- 手順が複雑だった
- システムが遅かった
- 材料の手配が遅れた
こうした原因候補を、思いつき順ではなく、分類しながら並べるのがフィッシュボーンチャートです。
どういうときに役立つのか
この図が役立つのは、原因がひとつに見えない問題です。
- 品質トラブルが続く
- ミスが何度も再発する
- クレームの背景が複雑
- 会議で原因が人の話ばかりになる
原因をひとつ決め打ちすると、対策もひとつに偏ります。フィッシュボーンチャートは、見落としていた要因を広げて確認するために使います。
ビジネスの現場でフィッシュボーンチャートという言葉が出る場面
1. 「この不具合、まずはフィッシュボーンチャートで整理しましょう」
意味: すぐ結論を出すのではなく、原因候補を広く洗い出しましょう、ということです。
相手が伝えたいこと: 思い込みで犯人探しをする前に、整理された形で話したいわけです。
2. 「人の問題だけでなく方法や設備も見てください」
意味: 担当者のミスだけでなく、手順や環境にも原因がないか確認してほしい、ということです。
相手が伝えたいこと: 再発防止には仕組み側の原因も見つける必要があると考えています。
3. 「小骨が浅いので、もう一段深掘りしましょう」
意味: 原因の粒度がまだ粗いので、もう少し具体化しましょう、という指摘です。
相手が伝えたいこと: 「忙しかった」で止めず、何がどう忙しかったのかまで落としたいのです。
フィッシュボーンチャートとなぜなぜ分析の違い
| 比較ポイント | フィッシュボーンチャート | なぜなぜ分析 |
|---|---|---|
| 役割 | 原因候補を広く整理する | ひとつの原因を深く掘る |
| たとえ話 | 地図を広げる | 1本の道を奥まで進む |
| 向いている場面 | 原因が多そうなとき | 主な原因候補が見えているとき |
| 使い方 | 分類しながら洗い出す | 「なぜ」を繰り返して深掘る |
実務では、まずフィッシュボーンチャートで全体を見て、そのあと有力な枝をなぜなぜ分析で深掘りする流れが使いやすいです。
よくある質問
フィッシュボーンチャートは製造業だけのものですか?
いいえ。営業、採用、カスタマーサポート、バックオフィスでも使えます。トラブルが複数要因で起きるなら向いています。
原因候補が多すぎるときはどうすればいいですか?
まずは広く出して構いません。そのあと、影響が大きそうな枝や再発しやすい枝を優先して見ます。
きれいな図を作ることが目的ですか?
違います。図をきれいにすることより、原因の見落としを減らすことが目的です。見た目が立派でも、議論が浅ければ意味はありません。
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まとめ
- フィッシュボーンチャートは、問題の原因を分類しながら整理する図です。
- 人だけでなく、方法や設備なども含めて考えやすくなります。
- 広く洗い出したあとに深掘りすると、再発防止につながりやすくなります。
明日からできる第一歩は、次に何かのミスが起きたときに「誰のせいか」から入らず、「人・方法・道具」の3つだけでも紙に書いてみることです。それだけで会議の空気が少し理性を取り戻します。