「趣味で車のレビューブログを書いてたら、毎月10万人も見に来てくれるようになったよ!せっかくだから、ブログのサイドバーに『バナー広告枠』を作ってお小遣いを稼ぎたいな。でも、どの会社の広告を貼れば一番お金(クリック単価)が儲かるのか、考えるのがめんどくさい……」 「管理人さん、そんな時は『SSP』というシステムを導入するんです!これを入れておけば、あなたのブログに読者が来た瞬間に、裏で『一番宣伝したくて高いお金を払ってくれる企業さん』を全自動で探してくれて、一番儲かる広告を表示してくれますよ!」

自分のWebサイトやブログに「広告枠」を作って稼いでいる人(メディア運営者)にとって、最強の味方となるシステム。

それが、ネット広告の裏側で光の速さで行われているオークションで「一番高く買ってくれる人」を見つけ出すシステム、「SSP」です。

SSPとは? 一言でいうと

一言でいうと、SSP(Supply-Side Platform:サプライサイド・プラットフォーム)は「広告枠を提供(Supply)するWebメディア(ブログやニュースサイトなど)が、広告枠の販売価格(収益)を最大化するために導入する、自動の広告配信・オークションシステム」のことです。

これを、「アパートの賢い大家さん(不動産システム)」に例えてみましょう。

あなたはアパート(自分のブログ)を持っていて、空き部屋(広告枠)を誰かに貸して儲けたいと考えています。 部屋を借りたいという企業はたくさんいます(靴屋、車屋、銀行など)。

昔のアナログな大家さんは「手作業」で探していたため、安値の100円で部屋を貸してしまっていました。

しかし、自分のブログに「SSP」という超優秀な大家さんシステムを入れると世界が変わります。 読者があなたのブログのページを開いた「0.1秒」の間に、SSPは裏で何十万社という企業にこう叫びます。 「はーい!今このブログを『20代の車好き』が開きましたよ!この空き部屋(広告枠)、誰か一番高く買ってくれませんか!」 すると、企業のシステム(DSP)たちが「俺の車の広告を出したいから10円出す!」「俺は12円だ!」とオークションを始めます。 そしてSSPは、もっとも高い15円という値段をつけた「高級外車の広告」を瞬時に選び出し、あなたのブログの空き部屋に表示させます。 このシステムのおかげで、ブログの管理人は何も操作しなくても、全自動で「一番儲かる広告」が常に表示され続けるのです。

ビジネスの現場での使い方

実際の現場で「SSP」がどう使われているのか、よくある3つの場面を見てみましょう。

「ウチのメディアの収益が下がってるから、SSPのフロアプライス(最低落札価格)を見直そう」

  • 裏にある意味・意図
    • 「最近、ウチのニュースサイトに表示される広告の収益が悪いな。SSP(自動で売ってくれるシステム)の設定で、『この枠は最低でも1クリック10円以上じゃないと売らないよ(フロアプライス)』という足切りラインを高く設定しすぎているのが原因だ。高望みしすぎて誰も落札してくれず『空白』になるくらいなら、安い壁まで下げて確実に売ったほうがトータルの儲けはでかくなるぞ」
    • 大家さんが「家賃を下げてでも空室リスクを減らす」のと同じ、メディア運営の超・鉄則。

「GoogleのAdSenseだけに頼るな!複数のSSPを束ねて競争させろ」

  • 裏にある意味・意図
    • 「自分のブログにGoogleの広告システム(AdSenseなど)だけを貼っているのはもったいない。世の中には『Fluct』や『Geniee』といった強力なSSP(メディアの味方ツール)がたくさんあるんだ。これらを導入して広告主同士を裏側でバチバチに競争(オークション)させれば、単価が跳ね上がってブログの広告収入がもっと劇的に伸びるぞ!」
    • ブログの広告収入(収益化)を極めるための、一段階上のマネタイズ戦略。

「SSPを入れてるのに怪しいエロ広告が出てるぞ!すぐにブロック設定しろ!」

  • 裏にある意味・意図
    • 「SSPは『一番高く買ってくれる広告』を自動で表示する最強のシステムだが、たまに『とにかく目立ちたい、単価の高いアダルト系や詐欺っぽい広告』が落札して、ウチの真面目なサイトに表示されてしまう事故が起きる(ブランドセーフティーの欠如)。SSPの管理画面ですぐに『このジャンルの企業の広告は絶対に落札させない』という強力なフィルター(ブロック)をかけろ!」
    • 「お金(単価)」と「サイトの品格」のトレードオフを理解した、メディアとしての防衛策。

「DSP」との対の関係

SSPについて学ぶと、必ずセットで「DSP」という言葉が出てきます。これは「売りたい人」と「買いたい人」の違いです。

比較ポイントSSP(売る側・メディアの味方)DSP(買う側・広告主の味方)
何の略?Supply(供給・枠を提供したい)-Side PlatformDemand(需要・出したい)-Side Platform
誰が使うシステム?自分のWebサイトに広告枠を設けて稼ぎたい「ブログ・メディア運営者」広告を出してモノを売りたい「企業(広告主)」
システムの目的(ワガママ)自分のブログの空き枠を、「できるだけ高く買って(表示して)稼がせてほしい!」ターゲットにピッタリな広告枠を、「できるだけ安く買いたい(出したい)!」

見分け方としては、「『ドヤ!俺のブログの広告枠、高く買ってくれ!』と叫んでいる売り手(家主)が【SSP】。『俺の広告を出させてくれ!安く買わせろ!』と叫んでいる買い手が【DSP】。この二人が0.1秒間で戦うオークション会場がアドエクスチェンジ」と覚えましょう。

まとめ

  • SSPとは、自分のWebサイトやブログに「広告枠」を持つメディア運営者が、その広告枠の収益を最大化するために導入する広告配信システムのこと。
  • アパートの賢い大家さんのように、入居希望者(広告を出したい企業たち)の中で「一番高いお金(オークション価格)を出してくれた企業」を全自動で見つけ出し、その広告を表示してくれる。
  • 広告枠を「安く買いたい側」の味方であるDSPと、広告枠を「高く売りたい側」の味方であるSSPは対の存在であり、ユーザーがページを開いた0.1秒の間に裏側で激しい入札バトルを行っている。

今日できるミニアクション: あなたがよく見るまとめサイトや、個人の趣味ブログを開いてみてください。記事の横や下に四角い「バナー広告」が出ていますよね?その広告の枠の右上の隅っこをよーく見てください。ものすごく小さな文字で「Ⓧ」マークや「Ads by Google」といったロゴが入っているはずです。それがまさに、そのブログの主が導入している「SSPやアドネットワーク(広告を自動で運んできてくれる代理店システム)」の証拠(シール)です。彼らはこのシステムを仕込んでおくことで、あなたがページを開くたびにチャリンチャリンとお小遣いを稼ぐことができているのです。