新商品を出したのに、会社全体の売上があまり増えない。そんなときは喜ぶ前に少しだけ冷静になったほうが安全です。

結論からいうと、カニバリゼーションは新商品や新店舗が、自社の既存商品や既存店舗の売上を奪ってしまうことです。外から新しい客を連れてきたつもりが、実は身内で席替えしていただけ、という場面で使います。

カニバリゼーションとは? 一言でいうと「自社どうしの客の取り合い」

一言でいうと、カニバリゼーションは自社の中で売上を食い合ってしまう状態です。

たとえば駅前にある自社カフェの近くに、同じブランドの2号店を出したとします。

  • 2号店は混む
  • でも1号店は急に空く
  • 会社全体の売上は思ったほど増えない

このとき起きているのがカニバリゼーションです。

新商品でも同じで、既存商品から新商品へ客が移っただけなら、数字の見え方ほど増えていないことがあります。

なぜ起きるのか

カニバリゼーションが起きやすいのは、次のような場面です。

  • 似た価格帯・似た用途の商品を増やした
  • 店舗の商圏が近すぎる
  • ターゲットがほぼ同じ
  • 新商品が既存商品の上位互換になっている

つまり、誰に何を売るかの差が小さいと起きやすくなります。

ビジネスの現場でカニバリゼーションという言葉が出る場面

1. 「この新商品、既存ラインとカニバっていませんか」

意味: 新しい商品が、既存商品の売上を奪っていないか確認したい、ということです。

相手が伝えたいこと: 新規売上のように見えても、実際は社内移動かもしれないので見極めたいのです。

2. 「出店エリアが近すぎてカニバる可能性があります」

意味: 新店舗が既存店舗の商圏とかぶり、客を奪い合うおそれがあるということです。

相手が伝えたいこと: 場所を増やせば単純に売上が増えるとは限らない、と注意しています。

3. 「今回はあえてカニバリを許容します」

意味: 既存商品への影響はあるが、競合に取られるよりは自社内で取りにいく判断をする、ということです。

相手が伝えたいこと: 共食いを完全に悪と見るのではなく、戦略的に受け入れる場面もあると考えています。

カニバリゼーションと競合の違い

比較ポイントカニバリゼーション競合との争い
役割自社どうしで客を奪い合う他社から客を奪う
たとえ話同じ家の冷蔵庫を家族で取り合う隣の家の客を呼び込む
売上への見え方個別商品は伸びても全体が増えにくい会社全体の売上増につながりやすい
注意点既存商品とのすみ分けが必要他社との差別化が必要

カニバリゼーション自体は現象の名前なので、良い悪いをすぐ決めつける必要はありません。問題は、意図せず起きているかどうかです。

よくある質問

カニバリゼーションは必ず悪いのですか?

必ずではありません。競合に取られる前に自社で新しい商品へ移行させる、という戦略もあります。

新商品が売れたら全部カニバリですか?

違います。新しい客を取れていたり、単価が上がって利益が増えていたりするなら、単なる共食いではありません。

どう防げばいいですか?

ターゲット、価格帯、利用シーンのどれかをずらすのが基本です。既存商品との違いが曖昧だと起きやすくなります。

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まとめ

  • カニバリゼーションは、新商品や新店舗が自社の既存売上を奪ってしまうことです。
  • 新しい数字が出ても、会社全体で増えているかは別に確認が必要です。
  • 価格、ターゲット、利用シーンの違いをはっきりさせると防ぎやすくなります。

明日からできる第一歩は、新しい企画を考えるときに「これは今のお客さんの置き換えか、それとも新しいお客さんか」を1行で書き分けることです。そこが曖昧だと、あとで売上表が気まずい顔をし始めます。