「社長!Googleに毎月100万円払って『飲むだけでマイナス5キロ!ダイエットサプリ』の超絶カッコいい広告を出した結果、1万人がクリックしてくれました!」 「おお、すごいじゃないか!で、いくつ売れたんだ?」 「……ゼロです。クリックした人は多いんですが、ウチのサイトを開いた瞬間、開始3秒で全員イライラして帰っちゃいました」 「なに!?ウチのサイトの何がいけなかったんだ!」 「あの……広告をクリックした『着地点』の設定を間違えてて、ダイエットサプリのページではなくて、ウチの会社としての社長の挨拶や会社概要が書いてある『企業のトップページ』に飛ばしてしまっていました……」

これは、Webマーケティングの初心者が必ずやる「地獄のミス」です。

広告のキャッチコピーと、着地したページ(ランディングページ)の内容がズレていると、お客さんは「騙された!」と思って秒速で帰ります。このズレを直し、飛び込んできたお客さんを逃さずに最後まで買わせる技術を「LPO」と呼びます。

LPOとは? 一言でいうと

一言でいうと、LPO(Landing Page Optimization:ランディングページ最適化)は「検索結果やWeb広告からリンクしてきたユーザーが最初に訪れるページ(LP)を、ユーザーの検索意図(ニーズ)にドンピシャで合わせるようにキャッチコピーやボタンの配置をテスト・改善し、コンバージョン率(CVR)を高める施策」のことです。

これを、「焼肉のチラシと、実際の飲食店の接客」に例えてみましょう。

【LPOができていない最悪の店】 あなたは道端で「極上の焼肉カルビが半額!」というチラシ(Web広告)をもらい、ワクワクして扉を開けました。 しかし、中から出てきた店員はこう言います。 「いらっしゃいませ!当店は総合ビルです!1階はラーメン、2階はお寿司、3階が社長の挨拶、4階が採用情報で、5階の隅っこに焼肉コーナーがあります!さあ、自分で探して歩いてください!」(=ただのコーポレートサイトのトップページ) あなたはどうしますか?「面倒くせえ!焼肉のチラシを出したなら、ドアを開けたら目の前にカルビを置いとけよ!」とブチ切れて帰りますよね(=サイトからの離脱)。

LPOが完璧な店】 ドアを開けた瞬間、目の前に熱々の炭火焼肉が用意されており、「チラシをお持ちの方ですね!極上カルビ半額コース、こちらですぐにお召し上がりいただけます!」とスムーズに案内されます。 お客さんは「そうそう、これこれ!これが欲しかったんだよ!」と大満足でお金を払います。

このように、「広告(看板)で煽った期待」と「着地したページ(店内)を見せた時の答え合わせ」を完璧に一致(最適化)させ、お客さんを迷わせずにレジまで一直線に滑り込ませる工夫こそが「LPO」なのです。

ビジネスの現場での使い方

実際の現場で「LPO」がどう使われているのか、よくある3つの場面を見てみましょう。

「『シミ消し』のキーワードで来た客向けの専用のLP(LPO)をもう一枚作れ」

  • 裏にある意味・意図
    • 「今、ウチの化粧品は『美白・アンチエイジング・シミ消し』の全てに効く万能なページ1枚しかない。でも、Googleで『シミ消し』と検索して来た人に、いきなりアンチエイジングの長話をしても響かない。だからLPOの観点から、『シミ消しに悩む人専用』の全く新しい着地ページ(LP)をもう一枚作って、広告の飛び先を完全に切り分けろ!」
    • 顧客の「検索した悩み(キーワード)」ごとに、おもてなしの接客(ページ)を分けるというLPOの王道テクニック。

「ページトップの『ファーストビュー(FV)』での直帰率が高いから、LPOで大至急改善だ」

  • 裏にある意味・意図
    • 「せっかく広告からクリックしてページ(LP)に着地してくれたのに、みんな画面を下にスクロールすらせずに、最初の画面(ファーストビュー)を一目見ただけで『違う!』と思って帰ってしまっている(直帰)。キャッチコピーが怪しいのか、写真がダサいのか。一番目立つ一番上の部分をA/Bテストして、LPO(最適化)を急げ!」
    • LPの中で最も客が逃げやすい「最初の3秒の見た目」を変えろという指示。

「いくらSEOや広告(集客)を頑張っても、LPOをサボってたら穴の空いたバケツだぞ」

  • 裏にある意味・意図
    • 「マーケティング部が『広告の予算を倍にしてクリック数を増やしました!』と自慢しているけど、クリックして飛んできた先のページ(LP)が古くてスマホで見づらかったら、誰も買わないだろ。高いお金を払って大量の水を運んできても、バケツ(LP)の底に穴が空いていたら全部ザルだ。まずはLPOで『絶対に漏れないバケツ』を作ってから広告を踏ませろ」
    • 集客よりも「接客ページの改善」の方が、はるかにコスパが良くて重要であるという本質。

「SEO」や「EFO」との違い

LPOは「〇〇O(最適化)」という言葉の代表格ですが、SEOやEFOとセットで覚えましょう。

言葉の名前どこを「最適化(改善・お掃除)」するのか現場での役割
SEO(Search Engine Optimization)検索エンジン(Google)を最適化し、検索で上位に出す。お客さんを「集める・呼んでくる」ための入り口の努力。
LPO(Landing Page Optimization)ランディングページ(LP・広告の着地点)を最適化する。呼んできたお客さんを「おもてなしして、その気にさせる」ための接客の努力。
EFO(Entry Form Optimization)入力フォーム(最後の住所やクレカの入力画面)を最適化する。その気になったお客さんから「お金を貰う時、めんどくさがられないようにする」ためのレジの努力。

見分け方としては、「SEOで客を呼んで(集客)、LPOで口説いて(接客)、EFOでスムーズに買わせる(決裁)」という三段活用の真ん中の要拠点が、まさに「LPO(ランディングページ最適化)」であると覚えましょう。

まとめ

  • LPO(ランディングページ最適化)とは、Web広告などをクリックしたユーザーが最初にたどり着くページ(LP)のデザインや文章を改善し、ユーザーが途中で逃げずに「購入やお問い合わせ」をしてくれる確率(CVR)を高める手法のこと。
  • 「焼肉半額!」のチラシを見てお店のドアを開けたお客さんに対し、社長の挨拶やラーメンのメニューを見せるのではなく、最速で「焼肉の席」に座らせる(ユーザーの期待と、見せる画面を完全に一致させる)ための強力なおもてなしである。
  • たくさんのお金を払って広告(集客)を頑張っても、着地するドヤ顔のページ(LP)が客の心に刺さらなければ、穴の空いたバケツに水を注ぐのと同じ大損になってしまう。

今日できるミニアクション: 試しに、スマホでGoogleを開いてご自身の会社名や、扱っている商品(例:「〇〇市 プログラミング教室」など)を検索して、一番上に出てきた「スポンサー(広告)」をクリックしてみてください。そして、「えっ、広告をクリックしたのに、いきなり全然関係ない社長のポエムのページに飛ばされたんだけど!」とか、「字が小さすぎてスマホじゃ読めない!」といった不満を感じたら、それがまさに「LPOができていない最悪の機会損失」です。他社の「ダメなLPの着地」を体験することで、ユーザー心理が手に取るようにわかるようになります。