「よし、ウチのオンラインショップで、お客さんがついに『購入画面』のお会計レジまで進んでくれたぞ!」 「……社長、そのお客さん、帰っちゃいましたよ」 「えっ!?なんで!商品が欲しかったんじゃないのか!」 「ウチのお会計画面、『郵便番号』を入れても住所が自動で出ないし、名前も『漢字』と『フリガナ(しかも全角カタカナ限定)』を両方スマホで手打ちさせられるクソ長くて面倒な仕様なので、お客さんが『もう買わなくていいやめんどくせ!』ってキレてサイトを閉じちゃったんです」

マーケティングにおいて、一番もったいなくて、一番バカバカしい機会損失。それが「お客さんの欲しい気持ち」がお会計の【入力の面倒くささ】に負けてしまうことです(カゴ落ち)。

この、最後の最後の画面(入力フォーム)のストレスを極限までゼロにし、お客さんにスルッと注文ボタンを押させる技術を「EFO」と呼びます。

EFOとは? 一言でいうと

一言でいうと、EFO(Entry Form Optimization:入力フォーム最適化)は「Webサイトのお問い合わせフォームや購入画面において、入力項目の削減、入力支援機能の追加、エラー表示の分かりやすさなどを改善することで、ユーザーの入力中のストレスを取り除き、完了率(コンバージョン率)を高める施策のこと」です。

これを、「役所の面倒くさい書類と、ホテルのVIPチェックイン」に例えてみましょう。

【EFOができていない、役所の窓口の書類】 あなたは役所に書類を出しに行きました。そこでは、「名前のフリガナは全角カタカナで!」「ハイフンは半角で!」「アパート名は別の枠に書いて!」「同じ住所をこっちの紙の裏にも3回書いて!」と、機械(役所のシステム都合)に人間を合わせさせるような、地獄の面倒くささを強要されます。(=客がキレて帰る)。

最新のEFO(VIPのチェックイン)】 一方、EFOが完璧なホテルはどうでしょう。 あなたがフロントに行くと、「郵便番号だけ教えていただけますか?あ、〇〇市ですね。後の細かい住所は私たちが自動で入力しておきました。お名前だけフルネームでサインしていただければOKです。ちなみにハイフンとか半角全角とか、どう書いてもこっちの裏のシステムで勝手に綺麗に自動変換しておくので、お客様はあなたの好きなように殴り書きで入力して大丈夫ですよ!」と最高のおもてなしをしてくれます。 お客さんは「えっ、もう終わり!?めっちゃ楽じゃん!」と感動し、ストレスゼロで契約(購入)してくれるのです。これがEFOの力です。

ビジネスの現場での使い方

実際の現場で「EFO」がどう使われているのか、よくある3つの場面を見てみましょう。

「EFOの基本は、アンケートのような『どうでもいい質問項目』を削ることだ」

  • 裏にある意味・意図
    • 「会員登録の時に、『あなたの趣味は?』とか『会社を知ったきっかけは?』みたいな、マーケティング部が後で分析したいだけのどうでもいい項目を必須入力にしているの、今すぐやめろ!お客さんからしたら、長すぎるフォームは地獄だ。名前とメールアドレス以外の『項目を一つ削る』だけで、コンバージョン(売上)は劇的に上がるんだぞ」
    • 「企業側のエゴ」を捨てて、「ユーザーの手間を減らす」というEFOの究極の鉄則。

「エラーは最後にまとめて出すな!EFOツールを入れてリアルタイムで怒れ!」

  • 裏にある意味・意図
    • 「一番腹が立つのは、全部の項目を5分かけて入力して、一番下にある『送信ボタン』を押した瞬間に、画面が真っ赤になって『パスワードの文字数が足りません!入力し直してください!』と全消しされることだ。これやられたらお客さんはスマホを投げるぞ。EFOツールを導入して、『パスワードを入力しているその瞬間』に、枠の横にリアルタイムで『あと3文字足りませんよ』と優しく教えてあげるシステムにしろ」
    • 後出しジャンケンのエラー通知をやめ、ユーザーの挫折を防ぐための具体的な改善指示。

「スマホ特有のEFO対策として、入力キーボードの種類を自動で切り替えろ」

  • 裏にある意味・意図
    • 「スマホで『電話番号(数字)』を入力する項目をタップした時、アルファベットのキーボード(あかさたな)が出るクソ仕様になってないか?電話番号の枠をタップした時は、最初から『テンキー(電卓みたいな数字専用の1・2・3のボタン)』が下からスッと出てくるように、HTML(コード)で裏側を設定しておけ。こういう1コンマ1秒の指の摩擦を減らすのがEFOなんだよ」
    • UIデザインやコーディングの知識を総動員して、ユーザーに「考えさせない・手間を取らせない」究極の気配り。

「LPO」や「SEO」との違い

EFOは「〇〇O(最適化)」という言葉の三兄弟の末っ子です。役割の順番で覚えましょう。

言葉の名前どこを「最適化(改善)」するのか売上を上げるための「役割」の順番
SEO(Search Engine Optimization)検索エンジン(Google)を最適化し、上に出す。①お店に、たくさんの客を「集める・呼んでくる」
LPO(Landing Page Optimization)ランディングページ(LP・広告の着地点)を最適化する。②呼んできたお客さんを「おもてなしして、その気にさせる」
EFO(Entry Form Optimization)入力フォーム(最後の住所やクレカの入力画面)を最適化する。③その気になった客が、「レジの行列(面倒くささ)でキレて帰るのを防ぐ」

見分け方としては、「SEOで集客し、LPOで接客し、最後のレジの会計をEFOで超絶スムーズにして逃さない」と覚えましょう。いくら①と②にお金をかけても、③の「レジ(EFO)」がクソみたいに面倒くさければ、売上はすべて水の泡(カゴ落ち)になります。

まとめ

  • EFO(入力フォーム最適化)とは、Webサイトの会員登録や購入画面における「名前・住所」などの入力フォームを、ユーザーがストレスなく、極限の手間いらずで最後まで完了できるように改善する手法のこと。
  • 「郵便番号を入れたら勝手に町名まで出る」「スマホで数字の枠をタップしたら、最初から数字専用キーボードが出る」など、役所の面倒な書類から、高級ホテルのVIP待遇のような「おもてなし入力」に昇華させる魔法。
  • マーケティングにおいて、一番「もったいない」のは、買う気マンマンのお客さんが「最後の入力が面倒くさくて帰ってしまうこと(カゴ落ち)」であり、EFOはそれを防ぐ最後のゴールキーパーである。

今日できるミニアクション: 実は企業にとって、名前の「全角カタカナ」と「半角カタカナ」のシステム上の違いなど、今どき裏側のプログラムで一発で自動変換(統一)できます。それなのに、あえて画面に赤字で「フリガナは全角カタカナで入力してください!」と偉そうに指示してくる企業を見つけたら、「ああ、この会社はユーザーに優しいEFOという概念を知らず、システム部の怠慢(自分たちが変換プログラムを書くのが面倒だというエゴ)をお客さんに押し付けているダメな会社だな」と見抜くことができます。面倒な入力画面は、その企業の「本質的な優しさの欠如」を映す鏡なのです。